「自閉症」 ~知ることからはじめよう~
1.自閉症の診断
自閉症は、自分の殻に閉じこもって周囲に打ち解けないような心の病気ではなく、生まれつき脳の働きに問題がある発達の障害です。
■3つの診断基準
①人とのやり取り、関わりが難しい(社会性の障害)
②コミュニケーションがとりにくい(コミュニケーションの障害)
③興味・行動の偏り、こだわり(限定的な行動・興味・反復行動)
その他:感覚の問題があります。
脳の中枢神経の機能障害によると想定されていますが、どの部分がどのようになっているかは解明されていません。自閉症という症状は人それぞれであり、知的障害を伴う人と伴わない人がいます。明確な区切りがあるわけではなく、連続している(スペクトラム)という考えで、自閉症スペクトラム(ASD)と呼ばれています。
2.自閉症の特徴
■対人関係の困難さ
・他人に対し極端に無関心であったり、過度に関心を持ったりする。
・相手の気持ちを理解できない。
・人と協調して何かをすることがなかなかできない。
・集団行動がとれない。
・模倣が苦手。
・集団行動がとれない。
・模倣が苦手。
■言葉の発達の遅れ
・言葉の遅れがある。
・反響言語(オーム返し)がある。
・人と会話のやりとりができない。
・生涯言葉がない人もいる。
・しゃべることと理解することがアンバランス。
・人と会話のやりとりができない。
・生涯言葉がない人もいる。
・しゃべることと理解することがアンバランス。
■感覚の特異さ
・感覚が敏感であったり鈍感であったりし、アンバランスである。
・特定の音を嫌がる。
・特定の音を嫌がる。
・特定の感覚を好んだり嫌ったりする。
・物の匂いをかぐ。
・物の匂いをかぐ。
■活動や興味の範囲が狭い
・同じ事をいつまでも繰り返す。
・好きなことには没頭するがそれ以外のことには無関心。
・決まった場所で決まった動きをするといった儀式的で固執した行動をする。
・自由時間がうまく過ごせない。
■アンバランスな知的能力
・できることとできないことの差が激しい。
・暗算は得意、文章問題はできない。
・特定(興味のあること)の記憶力がよい。
・漢字は書けるが、使えない。
・暗算は得意、文章問題はできない。
・特定(興味のあること)の記憶力がよい。
・漢字は書けるが、使えない。
・特異な能力がある。
パズルを裏返しにする。
たくさんある爪楊枝の数を見ただけでわかる。
曲を聴いただけでピアノで弾く事ができる。
見たものをそのまま記憶する。
パズルを裏返しにする。
たくさんある爪楊枝の数を見ただけでわかる。
曲を聴いただけでピアノで弾く事ができる。
見たものをそのまま記憶する。
消費税の計算が暗算でできる。
■変化に対する不安や抵抗
・家具などを置く位置や向きにこだわる。
・新しい事や物、変化に対して強い抵抗や不安を示す。
・いつも使っている物や同じやり方が落ち着く。
・新しい事や物、変化に対して強い抵抗や不安を示す。
・いつも使っている物や同じやり方が落ち着く。
・雨で外出ができないことが納得できず不穏になる。
3.自閉症の人と関わるには
自閉症という障害(個性・文化)をよく理解することが大事です。また自閉症の人の、得意なこと、苦手なことを知ることが大切です。(アセスメント)
自閉症の多くの人が、物事を理解するのに、聴覚(ことば)より、視覚(目で見る)の方がわかりやすいという特徴があります。また、物事を予測したり、想像したり、抽象的な事(時間など)を理解することが苦手です。そのため、いろいろなことを伝えるのに、文字や絵、写真など目で見てわかるようにするとともに、より具体的に伝えると理解しやすくなります。
文字も言葉もわからない国に単身赴任した時の事を想像してみてください。多くの人が不安だらけで、常に緊張し、ストレスがたまり、情緒が不安定になるかもしれません。自閉症の人は常にそういう状況にさらされていると思ってください。
こういったことを理解することが、関わるための第一歩です。